
ここまでの真田丸を見た率直な感想ですが、よく言えば軽快なテンポ、悪く言えば重厚感に欠けた如何にも三谷作品といったところでしょうか。
堺雅人さん演じる主人公・真田信繁は本能寺の変当時十代半ば、上杉景勝と直江兼続の主従は二十代、徳川家康でも四十代とみな若く、多少軽いくらいが丁度いいのかもしれません。
演じている俳優さん達の実年齢とのギャップはだいぶ酷いですが、そこは言わずもがな。これから戦国の荒波に揉まれていく中で、彼らがどのように戦い、成長していくのか楽しみに観ていきたいと思います。
真田丸上杉景勝役の遠藤憲一の演技の評価
上杉景勝役の遠藤憲一さんと言えば強面で有名ですね。
今期フジテレビのドラマ『お義父さんと呼ばせて』で自分と同じ歳の父親を持つ彼女と結婚しようと奮戦する、中堅商社に努める冴えない中年男を演じてらっしゃいますが、ピザーラのCMでも強面を逆手に取ったコミカルな悪徳ピザ屋の店長を演じるなど、「強面を逆手に取る」というのもちょっとやり過ぎて些か手垢のついた感もあります。
景勝と言えば寡黙な武人というイメージが強く、『天地人』では北村一輝さんが好演していましたが、遠藤さんの演じる景勝も寡黙さや武骨さが滲み出ており、主人公・信繁の武将としての成長にどんな形で関わっていくのか楽しみです。
ただ、三谷幸喜さんが景勝をどんな風に描くのか一抹の不安を覚えるのも事実です。遠藤さんの強面を活かした王道の戦国武将を見てみたいですね。
遠藤さんはナレーションのお仕事などもされていますが、あの低く落ち着いた声も大きな魅力で、700本以上も声の仕事をこなしてらっしゃるそうです。
そういえば映画のCMで遠藤さんのナレーションを耳にすることって結構多いような気がします。
北野武監督作『その男、凶暴につき』を観たCMディレクターに声を掛けられたことがきっかけだそうで、200本以上も映画や番組の予告CMに声をあてているそうです。
基本的にスケジュールが許す限り仕事は断らないとのことで、端役も含めて多くの作品で色々な役を演じてこられたことが独特の存在感につながっているのでしょうか。
今後の展開予想
さて、今後武田家の遺領を巡って上杉、北条、徳川の三者が争う天正壬午の乱へと突入していきます。
史実において真田家はこの荒波を乗り越えるために上杉景勝に帰属し、信繁は人質として景勝のもとへ赴くことになります。
ここまで遠藤さんの出番はごく限られたものでしたが、果たして堺雅人さん演じる信繁に対して、景勝は戦国武将としてどのような薫陶を授けるのか楽しみです。
「ずっと、兄より才があると思っていた」、「自惚れだった」と、第6回の放送で姉・松を助けることが出来ず思い切りへこんでいた信繁でしたが、軍神・上杉謙信を継いだ養子の景勝に会い、何を感じるのでしょうか。
遠藤さんは2011年の朝ドラ『てっぱん』では血の繋がらない娘を気遣い、成長を見守る父親役を演じていましたが、若い信繁の成長を見守る景勝、といった役どころを観ることが出来るでしょうか。
強面ながら情の厚い人物を演じさせてもうまい俳優さんですので、そんな展開もありかなと思います。
まとめ
戦国武将のなかで一二を争う人気のある、真田幸村こと信繁を主人公にした『真田丸』。始まる前には期待半分、不安半分でしたが、これまでのところ概ね楽しめています。
賛否両論あるようですが、それも信繁の人気の高さゆえでしょう。史実の中の真田信繁は大阪の陣で活躍する以前は、ほぼ無名の存在でした。
信繁を主人公に据えたドラマを作るのであれば、無名ゆえに創作の自由度は高いでしょう。
物語のクライマックスである大坂の陣に至るまでに長い雌伏の時もあり、徳川に仕えて真田家の命脈を保った兄・信幸や叔父・信尹などについても丁寧に描いてほしい、と個人的には思うのですが、あまり一般受けはしないかもしれませんね。
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